F.マネージャーの視点/市場の切り口:「外国人投資家の投資環境は不変」を公開しました。  (2021/12/07公開)

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<『応用編・講座』>
「F.マネージャーの視点/市場の切り口」で新講座を公開しました。

ー 外国人投資家の投資環境は不変 -

 ニューヨーク市場の動きと東京市場の動きを2013年まで9年程さかのぼって見てみますと、日経平均とニューヨークダウの上昇率は2.3倍~2.4倍となっています。

         日経平均とニューヨークダウ(NYDJ)の3か月ごとの推移
              ー2013年3月~2021年9月ー

   

 外国人投資家の投資行動を見る際の重要な指標は米国の長期金利、具体的には10年物国債の動きです。過去9年強を見る限り下限0.6%、上限3%で、変動幅は2.5%程度におさまっています。

             米国10年物国債の3か月ごとの利回り
               ー2012年3月~2021年9月ー

   


 マクロの経済環境、ミクロの企業業績等が複雑にからみあって市場が形成されてゆくのですが、株価は長期金利の2.5%程度の変動の中で上昇を継続してきたことになります。社会的、経済的な大きなイベントは投資家心理を大きくゆさぶり市場にアップダウンを演出しますが、結果的に右肩上がりの動きを継続してきました。コロナショックも3か月半あまりで織り込んでしまいました。タフな市場であるということになります。

 東京市場はニューヨーク市場と概ね20年間連動性を保っていますが、外国人投資家が東京市場に参入する場合には為替というゲートを潜る必要があります。下図は当該期間の円対ドル為替の動きを示します。アベノミックス直前に1ドル80円以下の水準であったのが2015年には120円を超えるまで円安が進展しました。

               円対ドルレートの3か月ごとの推移
                ー2013年3月~2021年9月ー

   

 2013年から2015年初めまでの期間はそれまでの急激な円高による反動が一挙に噴出、円安に急転回して輸出産業中心に大幅増益が実現、東京市場が急上昇した時期でもあります。それ以降は概ね1ドル110円を軸にプラスマイナス10円のゾーンに収束するような動きを示しています。
 この間、円安、円高の局面もありましたが、全体としてみればそうした動きも市場に自然に吸収され株式市場は右肩上りの動きを継続しました。上記の米国の長期金利の水準、日米の為替の動きがここまでの動きから大きく逸脱しない限り今後も同じような動きを継続すると思われます。



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講師:若林利明
外資系機関投資家を中心に日本株のファンドマネージャーを歴任。NPO法人日本個人投資家協会協議会委員。世界の株式市場における東京市場の位置づけ、そこで大きな影響力を行使する外国人投資家の投資動向に精通する。著書:「資産運用のセンスのみがき方」など。

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