<『応用編・講座』>
「応用編・講座」の「チャートの先生実地指南」で新講座を公開しました。
ー 移動平均線-ボリンジャーバンド -
ボリンジャーバンド
「ボリンジャーバンド」は移動平均線からの乖離をもとに株価の変動を確率分布に見立てることで、数値的に「売られ過ぎ・買われ過ぎ」を示すものです。
これは前回講座でご紹介したエンベロープと同じく、移動平均線の上下に幅を持たせ、そのレンジをもとに株価の動きを探るというものですが、その幅を標準偏差(略してシグマ、σ:下段の注(*)参照)という指標で具体的な数値で捉える点が違います。
標準偏差は、株価が移動平均線からのかい離が±1σ(シグマ)の範囲の中に約68%、±2σ(シグマ)の間に約95%が存在する、逆に言えば、株価がこの範囲を外れるのは32%、あるいは5%であることを示す指標です(ただし、株価が正規分布という規則正しい分布をしていることを前提とします)。そこで、逆張りであれば、株価が+2σを越えればそこに留まる確率は5%以下とみなせるので売り、逆に-2σを下回っていれば株価がそこに留まる確率は5%以下だから買い、というように使うことができます。
一般的にはこのように「逆張り」の方法で使うことが多いのですが、本来のボリンジャーバンドの考え方はもう一歩踏み込んで逆にもなりうるもので、標準偏差の幅が広がる時には、+2σのラインが上昇、-2σのラインが下落となり、+2σにある株価は+2σラインの上昇に絡むように上昇=買いのシグナルとなり、+2σのラインから下方に逸脱し+1σのラインに下落するところからは+2σのラインも下落、標準偏差の幅が縮小することになるので売りのシグナルとなるというものなのです。
つまり、標準偏差の幅が広がるところでは順張り、逆に縮小するところでは逆張りというように使い分けることになります。
以下の図1ではこうした実際の例を示しています。
赤い矢印のところは-2σ、あるいは+2σのところですが、最初に-2σとなった赤い矢印のところからさらに下落するケースも多く、+2σとなった赤い矢印も決して高値を示しているわけではありません。
実際に赤い矢印のところで逆張りの投資をしてもうまく行かなかったということになるのです。一方、青い矢印で示したところでは、-2σで買って正解でしたし、+2σで売って正解でした。
ボリンジャーバンドの使い方としてはその方向に注目しなければならないことを示しています。しかし、チャート分析には「絶対」ということはないのですから、他のチャートとの併用などで正確性を担保することが良いと思います。
(*)標準偏差(管理者注):
一群のデータを対象としてそれぞれのデータの平均値からのかい離の平均値で、全体としてデータが平均からどの程度かい離しているかを示す値です。ここで、データが平均値を中心としてプラス、マイナスの方向に離れるにしたがって同じ程度に数が少なくなっていくような分布を当講座にある「正規分布」と言います。
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*ボリンジャーバンドの具体的な求め方を含め、より詳しい内容は本講座をご覧下さい。
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講師:清水洋介
大和証券、外資証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト「チャートの先生」としてテレビ・雑誌等に登場し、また、現役ディーラーとしても日々相場と対峙する。 講演を行う一方、2014年5月に株式スクールを開校するなど投資に関して幅広い分野で活躍。著書:ローソク足と酒田五法(パンローリング)など多数。
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