『理論株価で相場評価』コーナーで
新講座、「ファンダメンタルズと市場リスクがせめぎ合う株式相場」を公開しました。
トランプ米大統領が5月9日に突然コミーFBI長官を解任したことを機に株式相場は不安定な様相を見せています。
一方、ファンダメンタルズの面では概して為替市場は落ち着いており、業績は今期予想が織り込まれるのにつれて過去最高を更新中です。日経平均ベースの予想EPSは直近の時点で前年比20%程度の増益となっています。
にもかかわらず、日経平均は5月11日をピークにそれまで軌を一に推移してきた通常変動の上側から下離れし、19日には日経平均はファンダメンタルズに基づく水準を大幅に下回っています。
こうしたファンダメンタルズと実際の相場とのかい離は市場リスクの高まりで説明されます。市場リスクの大きさは、株主が投資によって負担するリスクに見合う報酬として要求するリターンを意味する「資本コスト(*)」で表すことができます。
市場リスクは昨年の暮れから標準的なリスク水準より低めに推移して来ましたが、コミーFBI長官の解任を機に上昇を始め、直近時点では当面のリスクの上限とみなせる水準も超えました。実はこの水準は昨年11月9日のトランプ・ショック時以来の高い水準となります。奇しくも今回のコミー・ショックはトランプ大統領誕生時のショックと同レベルまでリスクを高めました。
半面でファンダメンタルズは着実に改善を維持しており、株式相場は市場リスクと好調なファンダメンタルズのせめぎ合いの状態となっています。当面、両者の綱引きが釣り合えば相場は危うい均衡を維持するものと思われますが、均衡が破れれば急な上昇、下落のどちらかに大きくシフトする可能性もあります。上昇局面も含めて波乱含みの状況と言えそうです。
ちなみに過去の経験則からリスクが標準リスクに向かって低下するならば日経平均は通常変動の上側に向かうと思われます。その場合、日経平均の高値のメドは2万800円程度になります。
(*)「資本コスト」については別の機会に稿を改めてご紹介します。
<ご参考:市場リスク(資本コスト)の推移と標準リスク、平均変動の上側と下側>
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