<『投資を学ぶ』コーナー>
「投資の地力養成講座」の「F.マネージャーの視点/市場の切り口」で新講座を公開しました。
ー 東芝を救済することは可能か -
東芝の苦境を長年国際ファイナンス業務を積んだ筆者の目から評価します。
東芝が子会社ウェスティング・ハウス(WH)のエンジニアリング部門のストーン・アンド・ウェブスター(SW)の原子力発電所建設工事請負契約を巡る損失が、どこまで拡大するのかわからないため再び決算の数字をまとめきれない状況に追い込まれた。
当初の工事請負契約はコスト・プラス契約、すなわち、受注した企業は完工責任を負う見返りに資機材の調達を透明にしてコストを支払う方式だったよう。ミスがなければコスト・オーバーラン・リスクは施主側が負う。
設計と施工にかかる人件費とサービスの対価はフィーベースでSWに支払われ、プロセス・フィーの中核の核燃料絡みのハードウェアは知的財産権保有者たるWHに支払われる構成になっていたはず。
ところが、環境アセスメントの規制など原契約の調整が次々に必要となり工期が延び、コストが跳ね上がっていったようだ。何しろアメリカ国内では1979年以来、数十年ぶりの原発建設である。
国の支援へのハードルは高い。今回は大き過ぎてつぶせないという理屈が容易には通用しない。
もし国が救済するなら事業体として立ち直るめどが立っていなければならないし、当該救済は納税者の便益向上に結び付かなければならないだろう。
その点、今回の損失は米国内取引に根差しており、救済の対象は米国内の純粋な私的商取引の損失の押し付け合いに絡むものだ。
去年の秋に聞いたブラックジョークがあった。
問い「日本で一番就きたくないポジションは何か?」
答え「黒田日銀総裁の後任である」
今なら同じ問いへの答えは「東芝の社長である」となるのだろうか。
詳細は本講座をご覧下さい。
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